2nd MUKU LABORATORY

NF1について書いてます。

『ごんぎつね』からみる読解力

一昨日かな?Twitterで『ごんぎつね』がトレンドにあって。

 

最近の子供たちは国語力が下がっている。

ごんぎつねを読んでも理解力が足りてないみたいな内容でした。

 

(たぶん元ネタ)

 

 

これは、質問した教師が悪かったように思えます。

 

ゴンが人間の『葬式』をみつけて。

葬式をよく解っていないゴンは人が亡くなったのは理解してるものの

人が集まって何かをしてるくらいにしか思ってないんですよね。

 

実際には兵十の母親が亡くなり、通夜振る舞いか何かをしていたわけですが。

 

そこで、「大きな鍋の中では何かぐずぐず煮えていた」

っという一文があって。

 

ゴンからしたら人が集まって、お祭りや宴じゃないのに

煮炊きをしていて不気味に見えたという感じなのでしょう。

 

 

 

そこで教師がした質問は『何を煮ていたのか?』

 

 

こんなの正解がないですよ。

今の子供は、自宅で通夜や葬式してたことを知ってる子なんて少ないだろうし。

そもそも葬式を経験した子も少ないだろうからね。

やっても、今の主流はセレモニーホールだし。

 

子供たちは話し合った結果

『遺体を煮ていた』という結論に至り驚愕したという話です。

 

ホントは怖い昔話で、カチカチ山とか読んだのかな?

グロいアニメが多いのも原因かもね。

 

『ぐずぐず煮えてた』の部分は不気味さというよりかは

不味そうな『何か』を煮ていたと感じたのかもしれません。

 

話が変わりますが。

安倍元総理が亡くなった時、昭恵夫人が位牌を抱いてましたが。

アレは何??っと、位牌がわからない子供が多かったって話を聞きました。

私はテレビで位牌とか棺を映すなと思ったのですが、実際に見たことがない人にとってはこうやって経験を積んでいかないといけないのかと思いました。

 

 

私が小さい頃は自宅での葬儀が当たり前でした。

家もそれなりに広かったですからね。

 

襖を取り払って、部屋をつなげて。

そこに20-30人くらい集まって色々やってました。

 

私は子供だったので、邪魔にならないように庭で犬と戯れたりしてて。

呼ばれたらテーブルに箸を並べたり、座布団を敷いたりと、お手伝いをしていました。

 

 

さて...そこで何を煮ていたのかと言えば。

 

麩を煮ていました。

あとは、熱燗くらいでしょうか...

ダンゴもたくさん作っていました。味のしないダンゴです。

お墓に供えて、ソレを食べると頭が良くなるとか言われてました。

 

私は埼玉に住んでますが。

『ごんぎつね』の舞台は愛知県半田市

 

『何を煮ていたのか?』の質問に対しての正しい答えは何なのか。

 

通夜振る舞いと答えるのは何かが違う気がします。

住んでいる地域もありますが宗教もありますから。

 

おそらく仏教だから肉とかは入れてない。

正しい答えなんてないのだと思いますが....

愛知県の郷土料理のようなものを調べないと正解に近い答えは出ない気がしました。

 

自分で調べた感じだと、

味噌煮込み(主に大根とかコンニャク)じゃないかなって思いました!

 

 

少し前に、ゴンが撃たれたのは自業自得だという話が話題になったこともありました。

絵本の絵柄が可愛いせいで狐に感情移入しがちですが。

 

ゴンが鰻に悪戯をしなければ兵十の母親は、もっと長生きできたかもしれないし。

亡くなる前の最後の望みを叶えてあげられたわけです。

兵十の恨みはさぞ深かったと思います。

 

ゴンは罪滅ぼしで、栗などの秋の実りを集め兵十の家に届けるわけですが。

これは、全くの自己満足です。

しかも相手は気づいておらず、神様のお恵みだと思っている。

(ソレに対して不満を抱いてる)

 

そして姿を見られた途端、即撃ち殺されています。

そして兵十は後悔するわけですが恨みは消えてないと思うんですよね...

 

 

鰻を食べていたとしても、母は亡くなっていたかもしれないですが。

望みを叶えてあげられなかった。

飛躍して考えると。

ゴンに母を殺されたくらいの気持ちで撃ち殺してると思うんですよね。

 

 

 

自分が知ってる、ごんぎつねの絵本はコレ。

たぶん、家にあった。

あとは、日本昔ばなしでも観た記憶があります。

 

 

様々な出版社から出ていて(海外版もある)

その絵柄によって、また印象が変わってくるかもしれないですね。

 

 

 

 

これなら、たんなるクソぎつねに見えたかもしれない。

 

 

■余談

 

手ぶくろを買いに|絵本ナビ : 新美 南吉,黒井 健 みんなの声・通販

 

同じ作者の作品だと『手袋を買いに』があります。

 

寒い冬、子狐のために手袋を用意してやりたい母狐は

片手だけを人間の手のひらに変えて街の帽子屋さんへ行くように言います。

(自分は怖くて行けない)

『この手に合う手袋をください』と言うのですが。

差し出した手は狐の手でした。

 

それでも、帽子屋さんは、その手にあった手袋を用意してくれるわけですが。

母狐は、どうしてだろう。ほんとうに信じていいのだろうかと疑心暗鬼になる話

 

純粋な気持ちで読めば、人間優しい。

違うと解っていても何も言わずやってくれる。

 

大人の気持ちで読むなら

疑うことを知らない純粋無垢な気持ちは子供の時だけで。

何かあるんじゃないか?と不安になる。

 

初版だと人間を騙したことを後悔する描写があるようですが。

ソレ以降は削除されているようです。

 

 

ほんとうに??の部分を考えさせるためでしょうね。

 

 

 

 

■追記

 

『お葬式』と『麩』について調べてみました。

どうやら秩父地方では、お葬式で『麩料理』を出すのが定番だったようです。

(あとは山梨あたり)

母方の実家は、ほぼ秩父で言葉も山梨訛りがありました。(日本一汚い言語らしいw)

 

今の家も秩父は近いので...父方の方にもそういう文化があったのかも。

 

特に名前は存在しないものの、葬式と言えば『麩』だったのですが。

キレイサッパリ消えてしまった文化かもしれないです。